
「場合」はともかく、「とき」と「時」はひらがなか漢字の違いだけで一緒ちゃいますのん。

契約書などで使うときは、ひらがなの「とき」と漢字の「時」は意味が異なるので使い分けたほうが良いです。
「場合」と「とき」と「時」の使い分け
「場合」とひらがなの「とき」
「場合」もひらがなの「とき」も、ともに仮定的条件を示す言葉です。
一般的には意味に区別をつけずに、たとえば、
「朝6時時点で大阪市に暴風警報が発令されていた場合は休校です。」とも
「朝6時時点で大阪市に暴風警報が発令されていたときは休校です。」とも混用されて使われます。
ただし、仮定的条件が二つ重なる場合は、大きい方の条件には「場合」を、小さい方の条件にはひらがなの「とき」を使います。
ちょっと契約文案を見てみましょう。
1. 甲は、指定納期より早く成果物を完成したときは、乙にその旨通知する。
2. 前項に規定する場合において、乙が前倒し納入を要請したときは、甲はそれに従う。
漢字の「時」
漢字の「時」は文字通り、時点または時間が問題になる場合だけに使われます。
たとえば、「被相続人が相続開始した時において有した財産」等です。
とはいいつつも・・・
実際の契約書には、このような使い分けが正しく行われていな例も散見されます。
とりわけ、「とき」と「時」のひらがなと漢字の使い合わせなんて、ほとんど意識されていないことが多いというのがすぎやんの実感です。
当方から契約書のドラフトを提示する際は、この使い分けルールに従って契約書を作成した方が良いですが、相手方から出てきたドラフトにおいて使い分けが乱れていることに気付いても、意味が変わってくるなどの弊害がない限り、そっと見て見ぬふりをする方が良いとすぎやんは考えます。

確かに、「この条文の漢字の時(とき)はひらがなに修正してください。」などと契約交渉で主張するのも「なんだかなー」ですよね。

多くの企業法務担当者が最初の研修の時に学ぶのがこの「とき」と「時」の違いです。しかし、実務現場でその知識を不必要に振りかざすのも考えものです。