平成30年の不正競争防止法の改正で、「限定提供データ」が法的保護を受けることになりました。
この点は、秘密保持契約と関係がありますので、さらりとご説明します。
お堅いお話は御免だよ。さらりと頼みますよ。
限定提供データとは
不正競争防止法第2条第7項では次のように規定されています。
この法律において「限定提供データ」とは、業として特定の者に提供する情報として電磁的方法(電子的方法、磁気的方法その他人の知覚によっては認識することができない方法をいう。次項において同じ。)により相当量蓄積され、及び管理されている技術上又は営業上の情報(秘密として管理されているものを除く。)をいう。
この条文を分解すると、「限定提供データ」として法律による保護を受けるためには次の3つの要件を満たす必要があることがわかります。
1.限定提供性
業として特定の者に提供するものであること
2.相当蓄積性
電磁的方法により相当量蓄積されるものであること
3.電磁的管理性
電磁的方法により管理されるものであること
こう書くと難しくなってきますが、詳しく知りたい方は不正競争防止法を管轄する経済産業省から指針など情報が開示されていますので、そちらを参照ください。
どんな行為が不正競争行為となるのか
不正競争防止法では、「限定提供データ」について以下の行為が不正競争行為に該当するとされています。
- アクセス権のない者が、不正アクセスや詐欺等の手段により「限定提供データ」を取得する行為。
- そのように不正に取得した「限定提供データ」を使用したり開示する行為。
- 不正取得の経緯を知ったうえで、「限定提供データ」を取得(転得)し、使用し、開示する行為。
- 転得時には知らなかったが、不正取得の経緯を事後的に知って、さらに権原のない者に開示する行為
不正アクセス他人のPCに侵入したり、夜間に他人の事務所に忍び込んでPCからUSBに写し取る。そしてそれを悪用する。といったものが不正取得の典型例です。
法律に「限定提供データ」の保護が追加されたけど、やっぱり秘密保持契約はいりますよ。
不正競争防止法に限定提供データの保護に関して追加されたからといって、秘密保持契約を結ぶ必要はなくなったとは早合点しないでください。
上に見てきたように、不正競争防止法による限定提供データの保護というのは、詐欺的窃取や不正アクセスなどを契約関係に無い第三者が行った場合に不正競争行為になるというものですので、秘密保持契約が想定している開示者自らが能動的に情報を開示するような場合を想定していません。
やはり自らの資産である情報を開示する際は、秘密保持契約を結んでおくということは一番のリスクヘッジになると考えます。
説明ありがとう。秘密保持契約の重要性を再認識しましたよ。
わかっていただきましたか。行政書士すぎやん事務所では秘密保持契約の作成のお手伝いを行っています。詳しくはホームページをご覧ください。
お。営業ですか。まあどんな奴かホームページを見てみるか。