
契約交渉のメールやり取りをしている相手からの返事が、今までのペースで来なくなりました。ウチとのビジネスに興味が無くなったのかな・・・。心配です。

それは心配ですね。
でもひょっとしたら「寝っ転がり作戦」かもしれませんね。
契約交渉の途中で・・・あれ? どうしたの?
契約交渉のやり取りを何度も一定期間続けてきて、ほとんどの条件で合意に至って交渉も終盤に差し掛かったと思われる頃、突然相手方からのリアクションが途絶えることがあります。
今まではほとんど絶え間なく返信を受け返信を返す形で交渉をしてきたのに、突然リアクションが無くなると、「いったいどうしたんだろう?」と言う思いに駆られます。
そんなとき、まずは、「お返事お待ちしています。」「ご意見をお聞かせください。」などと相手方に対して督促するでしょう。
それでもリアクションがないと、「訪問させてください。」とか「リモート会議しましょう。」とか具体的な接触機会の確保を持ちかけます。
しかしそれでも何かと理由をつけて拒否される。
・・・こんなことは実際にたまにあることです。
困り果てて懐柔策まで
当方としては、早く契約を締結してビジネスをスタートさせたいという強い思いがあるので、相手方にこのような態度をされて時間が過ぎていくと、だんだん焦りの気持ちが高まってきます。
「相手方も、それまでの態度から契約を締結してビジネスを始めることを目的にして交渉を続けてきたはずなのに、なぜこんな対応をしてるんだろう」と言う思いが増してきます。
そこで、懐柔や説得の動きに変わっていきます。
「どこか問題になっている内容がありますか?」とか「ご要望を聞かせてください。」とか問い合わせたりします。
その問い合わせに対して相手方の要求内容が明らかになったらまだいいのですが、その問い合わせに対しても明確な反応がないときは、頼まれてもいないのに譲歩案を自ら作って提案するというようなことまだやることもあります。
そこまで来たら、ようやく寝転がっていた相手は起き出して、寝転がっている間に出てきた譲歩案に合意して契約を締結します。これが寝っ転がり作戦成功のシーンです。
おもちゃ売り場のほほえましい風景
これは、おもちゃ売り場で欲しいほしいおもちゃの前で寝転がって駄々をこねる子供とよく似ていますね。当方は、駄々に陥落しておもちゃを買い与えたり、子供が好きな代わりのものを与えて宥める母のようです。
この子供の場合は「このおもちゃが欲しい」と要求がはっきりしているのでまだ扱いやすいのですが、寝っ転がった交渉相手の要求が分からない場合は扱いにくいです。
ただこんな風景も見かけますよね。
駄々をこねている子供に対して、「いつまでもそうしときなさい。ママは帰りますからね」と言いはなち立ち去っていく母親と、そんな母親を泣きじゃくりながら追っかけていく子供・・
ほほえましい風景ですが、大人がやる契約交渉で、こんな姿になることはみっともないですね。
しかし、往々にして寝っ転がり作戦は、交渉の最終段階で、少し有利な契約条件を引き出すという利点をもたらすこともあって、一つの交渉戦略として考える余地はあります。
しかし、立ち去る母と泣きながら追っかける子供の風景のように、最悪のみっともない姿になるリスクも多分にありますので、寝っ転がり作戦は究極の秘策と考えた方が良いでしょう。

寝転がった相手とうまくコミュニケーションして、相手の心理を探ることが大事なようですね。

案外、相手方の上司のスケジュールが合わなくて、社内確認に時間がかかっているだけかもしれませんしね。