相手から「来週までに契約書のたたき台を出してくれ」と頼まれたんだけど、
契約ドラフトを作るの大変だし困ったなあ。
いや、自分から契約書ドラフトを出せるなんてラッキーですよ!!
早速取り組みましょう。専門家への外注を検討されてはいかがですか。
契約書のドラフト出しは先手必勝
契約交渉において最初にある協議テーマが、
「契約書のドラフトを当事者のうちのどちらが作成するか。」ということです。
この点、今後の交渉の成否を決するような重要なポイントといえるかもしれません。
結論からいいますと、「できるだけドラフトを出す立場になるべきです。」
それは次の理由によります。
- 自社に有利な内容で契約書ドラフトを作成できる。
- 契約交渉は出されたドラフトをベースに進むので、交渉を経たのちに締結される契約書は結局ドラフトの作成者に有利な内容になる傾向がある。
- ドラフトに対する相手方のコメントや対案が予め予想できるし、それに対する反論や譲歩案を予め用意できる。その結果、交渉を優位に進めることができる。
- 取引から発生しうるリスクを余裕をもって予測でき、それを網羅する適切な契約書ドラフトを作成できる。
どうやって契約書のドラフトを提示する役割を獲得するか
では、「どうやって契約書のドラフトを提示する役割を獲得するか。」ですが、
ここはケースによっては交渉余地なしのケースもあります。
それは、取引相手方が大企業であり、相手方が主力事業として数多く頻繁に行っている類型の取引で、その大企業が標準型契約書をあらかじめ用意しているケースです。
このような場合は、大企業側から「じや、これにハンコ押して。来週末までにね」というノリで契約書ドラフトを提示してくることもあります。
そんな場合は、当方から「契約書ドラフトを出しますよ」とは到底言えませんし、言ったとしてもまず受け入れられません。
このような場合は、ドラフトを出すのはあきらめざるをえません。
相手方は契約交渉すら応じる余地なしのノリですので、そこは覆して、相手方のドラフトに対して契約交渉ができるように交渉戦略を切り替えるほうがいいと考えます。
「言い出しっぺ」になるのが良いです
契約書のドラフトを提示する役割を獲得したいときに、効果的なやり方は…、
「契約書のたたき台は当方で用意しますね。〇〇までにお送りしますので、検討してください。」
と先に言うことです。
そう言うと、たいがいは、「助かります。では、お願いします。」となります。相手が大企業でも、標準型契約書を用意していないような契約類型の場合、その提案に応じてくれることもあります。
ただ、相手方が、上記の先手必勝理論を知っている場合は、「いいえ、うちで用意しますよ。」と、言い返します。
そうなると軽い論争になるのですが、ここでの決め手は契約書のドラフトを用意するスピードのアピールです。
「以前に使った参考になりそうな契約書があるので、●日以内にドラフトを出せます。」と主張します。ここの日にちは、無理してできる最短の日にちを出すべきです。
その日にちが先方の提示日より前だったら「じゃあお願いします」となるかもしれません。
めでたく役割を確保できたら。。。とにかく頑張りましょう!
めでたく契約書のドラフトを提示する役割を確保できたら、とにかく申告した期限までに出すよう、契約書のドラフトづくりを頑張りましょう。
場合によっては、コストを負担してでも専門家への外注を検討しても良いでしょう。
ドラフトを出せる状況になったのはラッキーなんですね。
ドラフト作成頑張ります!!
ウチに依頼してくれたら頑張りますよ。